サラリーマンのめがねから見える景色

コメディカルの免許を持ってるけど普通のサラリーマンをやっているオジサン。

免許は取ったけど放射線技師にならない選択

 今日の記事は、

現在、将来に向けて進路を考えている高校生、

コメディカルの資格っていいなと思っている人、

キャリアを変えたいと思っている医療従事者の方々、

 そんな人たちが読んでくれたらいいなと思っております。

 

 私は大学を卒業と同時に放射線技師の免許を取りました。病院でレントゲンやCT、MRIなんかを撮ってくれる、あの人です。

 正式な資格名は診療放射線技師

 医師・歯科医師・薬剤師などと比べると取得難易度は低いですが、決められたカリキュラムの学校を出てないと受験資格が得られず、一応のハードルがあるのは間違いないです。(専門学校などでも受験資格は得られますので、やはり低いハードルですが。)

 

 私の卒業した大学では「放射線技師になりたい!」と思って入学してくる人は同様の学校と比べるとそんなに多くなかったです。実際、卒業時に受ける国家試験の合格率も他校に比べると非常に低い。

 じゃあ、どうしてこの学部学科に入りたいと思うのか。もちろん人それぞれ様々な理由はあると思いますが、以下のような感じかなと、個人的には思っています。

 

理系科目を網羅的に学ぶことが出来る。

 放射線技師の免許を取るために勉強しないといけないことって、高校の科目で表現すると、「生物」「化学」「物理」「数学」「情報」と、非常に多岐に渡ってるんですね。こういったことを網羅的に勉強できるというのは一つ魅力なのではないかと思います。

 「医療」や「放射線」といった軸があるのは間違いないですが、その軸に沿って理系分野全体を見渡すことが出来たのは、後々社会人になってからも役に立ったなと思ってます。

 

一応、国家資格を取れるから保険になる。

 ずるいかもしれませんが、人生を考えたときに大切な考え方と思います。腐っても放射線技師は国家資格です。病院やクリニックで専門職として働くことが出来ます。日本も実力主義の世の中になりましたし、適当に学生時代を過ごしてもご飯が食べていける保証なんてありません。

 そんなとき、病院で働ける資格を持っているーというのは生きていく上で心強いですよね。

 

それなりの偏差値がある大学の中では入りやすい学科。

 放射線技師に限らず、コメディカルの免許を取れる学科を設置している学校は、偏差値でいうとピンからキリまでありまして、いわゆる旧帝大と呼ばれる大学にも存在しています。

 放射線技師の免許を取れる学科・専攻は、医学部保健学科という中に設置されることが多いのですが、偏差値がそれなりに高い大学の理系学部の中で、医学部保健学科ってすごく入りやすいんですよね。実際私も本当は工学部や農学部とかに行きたかったのですが、当時のセンター試験に失敗して、保健学科に切り替えた人間です。

 

 という具合の理由があるかなと思っておりまして。というか、私自身が上述した理由で、別に放射線技師になりたい訳じゃないのに、そういう学科を選んだんですね。

 

 そんな経緯がありましたので、国家試験に向けてのモチベーションは全然上がらない訳です。

 カリキュラムの中に病院臨地実習なんてものもあったのですが、もはや社会見学のような気分でしたね。4年間、そういう学科の中で勉強や研究をして、別に放射線技師になるのが嫌だーという風な気持ちにはならなかったのですが、如何せん国家試験に受かる自信がない…。

 新卒の放射線技師の就職活動って、大学卒業年次(4年生)の夏の終わりくらいから、病院の就職活動がはじまるんです。そこで無事に就職内定を貰って、そして卒業する2月に国家試験を受けて、それで不合格だったら、病院の内定も取り消しになっちゃうんですね。

めちゃくちゃ怖くないですか?

 普通に勉強してたら合格するよーと言われる方も多いのですが、私は上述したようなスタンスでしたので自信がなく…。

 当時、普通の企業は大学3年生の冬から採用活動をスタートしておりましたので、どうせだったらそっちも受けてみて、それで内定もらえたらラッキーじゃん。そんな軽い気持ちで一般企業の就職活動を始めました。

 結局、幸運なことに医療機器メーカーの内定をゲットし、私は新卒でそこに就職を決めました。

 

 正直なところ、一般企業がダメなら、夏に大学院を受験して就職を先延ばしにしてもありでしたし、それもダメなら、夏が終わってから、頑張って勉強して病院に就職するかあと気楽に考えていました。

 何が言いたいかというと、コメディカルの資格が取れる学校に行ったからと言って、将来が決まった訳ではないということです。

 大学卒業年次の1年間でも、企業、大学院、病院という3枚のカードを順に切れます。(まあでも、今思えばそんな気楽なことを考えれたのは、親が学費というところで経済的に全面バックアップしてくれてたからですね…。)

 

 結局、一般企業に就職してどうだったか、良かったと思うこともあれば、病院の方が良かったかなと思うこともあります。これについてはまた機会があれば話したいと思います。 

 

 以上、免許は取ったけど放射線技師にならない選択をした話でした。